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佐久島店で約30年ぶりの農作物集出荷作業 サツマイモを10人から約500㌔

2018.10.11

佐久島店でサツマイモの計量を行う農家
佐久島店でサツマイモの計量を行う農家

 JA西三河佐久島店で9月中下旬、30年ぶりとなる農作物集出荷作業となる、サツマイモの集出荷作業が行われました。栽培農家が自ら持ち込んだり、同店の職員が集荷に赴くなどして集荷。コンテナに20㌔ごとに詰めて計量し、10軒の農家が合計約600㌔のサツマイモを出荷しました。
 これらのサツマイモはJAが全量買い取り、西尾市内の醸造会社による加工を経て「佐久島産サツマイモの芋焼酎」として来年3月頃に販売の予定です。
 この取り組みは、JAが島民団体「島を美しくつくる会」・西尾市とともに取り組むサツマイモの名産化プロジェクトの一環。平成29年度より島民団体とともに試験栽培を開始し、平成30年度は試験栽培の面積を拡大するとともに、島民へのサツマイモ栽培の普及を行っています。今年は農家から集荷したものと試験栽培圃場で収穫したものを合わせておよそ1.2㌧の収量を挙げ、これらのサツマイモは10月2日、西尾市の醸造会社相生ユニビオ㈱の工場へ納品されました。
 サツマイモ出荷のため佐久島店を訪れた農家の女性は、「自家消費で長いことサツマイモを作っていたが、久しぶりに出荷作業を行ったので少し大変だった。サツマイモ出荷を行う他の農家もみんな知り合いなので、栽培は楽しみになっている」と話していました。
 佐久島のサツマイモは、安全・安心に配慮した化学農薬不使用・減肥料の栽培が特色。試験圃場では今後12月頃に大麦を圃場にまき、サツマイモ植付前の4月頃に畑にすき込むことで化学肥料の代用とします。またJAでは今後も、島民によるサツマイモ栽培の普及や技術指導を継続の予定です。
 佐久島は三河湾に浮かぶ人口226人(平成30年9月現在)・面積1.81平方㌔㍍の島。島民の多くは漁業や観光業で生計を立てるほか、家庭菜園で野菜を栽培し主に自家消費しています。約30年ほど前までは当時の一色町農協佐久島支店で農作物集出荷が行われ、ミカン・タマネギやソラマメ・エンドウマメなどを集荷・選別の上、輸送船により市場へ出荷していました。
 しかし出荷者の高齢化と離農、農産物出荷量の減少や、輸送船の更新時期と重なったことから集出荷作業を中止。以降、島民の営む農業は個別の市場出荷や自家消費がメインとなるとともに、高齢化・過疎化のさらなる進展や耕作放棄地の増加が課題となっていました。
 JAと島民団体・市が取り組むサツマイモ名産化プロジェクトはこの対策として行うもので、島の新たな名産品作りによる経済活性化や耕作放棄地対策、長期的には農業での移住者の増加を過疎化対策につなげることを狙いとしています。

 

醸造会社に納品されるサツマイモ
醸造会社に納品されるサツマイモ