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天敵利用で環境にやさしい安心・安全な西尾梨づくりへ

2019.6.4

木本主任の指導の下、ミヤコバンカーを設置する生産者ら
ミヤコバンカーの設置実演

 当JAは5月30日、天敵製剤「ミヤコバンカー」の説明会をJA小牧センターで開きました。ここ西三河地域は、天敵利用による防除体制の確立に積極的に取組んでおり、今年も継続して試験を行います。
 天敵利用に興味を示す7名の生産者が参加し、農業改良普及課やメーカー担当者の指導の下、ミヤコバンカーの組み立てや設置方法について理解を深めました。ミヤコバンカーは1箱100パック(10,000頭入り)で、10㌃に100パック設置が基準。黒フェルトで巻いた天敵パックをバンカーシートへ入れ、保水資材を詰めて完成させます。実際に初めて組み立てた生産者は「一人でやるのは大変だけど、家族みんなでやればいいかも。手伝うことで関心を持ってもらえる良い機会にもなりそう」と話しました。 
 その後、吉良町にある近藤稔幸さんのほ場に移動し、ミヤコバンカーの設置を実演。今年度は3カ所のほ場で、6月から9月にかけて2週間ごと害虫のハダニと天敵のミヤコカブリダニの頭数を調査します。①17㌃(170個)、②8㌃(80個)、③5㌃(未設置)とし、①の圃場には天敵に影響のない農薬のみを使用し、②は従来通りに農薬散布を行い、③はミヤコバンカーを設置せずにデータを収集。
dsc_9469  管内では、天敵利用や交信撹乱剤「コンフューザーN」の施用をはじめ、有袋栽培や落ち葉の処理などを通じて安定生産に努めています。また、天敵に悪影響の少ない農薬への切り替えによって土着天敵の定着や増殖を促すことにより、薬剤抵抗性を発達させて難防除となっているハダニ対策に取組みます。さらに今年度より落ち葉の処理を徹底し、黒星病の発生予防にも力を入れています。
 「ミヤコバンカー」とは、ハダニを捕食するミヤコカブリダニを化学農薬や環境変化の影響から保護し、天敵を増殖して長期間放出できる資材。平成30年度より西尾市内の露地ナシ園で試験導入しています。