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スマート農業技術の開発・実証プロジェクトキックオフ会議 JA西三河・行政・研究機関・企業連携のもと実証事業本格始動

2019.6.26

 下村堅二さん宅の実証ハウス(西尾市一色町)に設置された光合成量計測チャンバーと、視察に訪れる関係者、下村さん(奥から2人目)

下村堅二さん宅の実証ハウス(西尾市一色町)に設置された光合成量計測チャンバーと、視察に訪れる関係者、下村さん(奥から2人目)

 JA西三河、愛知県西三河農林水産事務所、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構など11の機関でつくる「日本をリードする施設キュウリスマート農業実証コンソーシアム」は、6月20日と21日、JA西三河本店で「スマート農業技術の開発・実証プロジェクトキックオフ会議」を開きました。
 このキックオフ会議は、同コンソーシアムが、国によるスマート農業関連実証事業の採択を得て進める実証事業「ICTに基づく養液栽培から販売による施設キュウリのデータ駆動経営一貫体系の実証」のスタートとして行うもの。この日、JA・行政・関連企業・研究機関などコンソーシアムの関係者約40人が一堂に会し、それぞれの業務概要の紹介や実証内容の紹介を通して意見交換や意識の共有を図った。また、実証ハウスである下村堅二さんのキュウリ栽培圃場を視察しました。
 実証事業は、キュウリ栽培の更なる収量増加と養液栽培による大規模化・企業的経営にむけて、①全国的にも事例の少ない、施設キュウリ養液栽培の実現・周年栽培化、②画像処理ロボットを利用したキュウリ生育量データの取得、環境測定データをAIにより解析した生育予測、③生育予測の出荷量予測・労務管理への活用、などの実現を目指すもの。実証課題の成果目標として、10%以上の作業時間削減(1㌧あたりの作業時間:89h/t→80.1h/t)と、30%以上の反収向上(26.5㌧/10㌃→34.5㌧/10㌃)を掲げています。
 冒頭で愛知県農林水産事務所の仲井靖所長は「今回国の事業に採択されたのは、きゅうり部会の皆さんによる、全国に先駆けたICTの取組があったからこそ。プロジェクトの最終目標は、生産性の向上と経営改善であり、目標に向かって一丸となって解決していきたい」とあいさつ。またJA西三河の名倉正裕代表理事組合長は、関係機関への謝辞を述べるとともに、JAが取り組む農業用ICTツール活用の推移等にふれ、「新しい形の産地形成を視野に、当産地がモデルとなりスマート農業の普及を進め、地元農業の更なる活性化と日本農業が競争力のある産業として発展していく一翼を担うよう取組んでまいります」と話しました。
 国によるスマート農業関連実証事業「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」(平成30年度第2次補正予算額6153百万円)・「スマート農業加速化実証プロジェクト」(令和元年度予算概算決定額505百万円)では、全国より252の課題提案があり、うち69個が採択されています。愛知県内で同実証事業に採択されたのはこの事業のみ。コンソーシアムによる課題実証は今年4月から2021年3月末が期限。各機関が連携し、国内最高の施設キュウリ栽培技術を誇る西尾市で、日本のキュウリ生産の最先端を行く実証事業がスタートします。