新着情報

シロイチモジヨトウ防除に係るフェロモン剤の試験導入

2019.7.24

被害株を確認する担当者ら
初回調査で被害株を確認する担当者ら

 西尾市小栗町周辺の生産者で組織する小栗カーネーション部会は今年度、定植後のシロイチモジヨトウによる被害が原因で生育が遅れていることを背景に、フェロモン剤「ヨトウコンS」の試験に取り組んでいます。
 管内では、薬剤散布のタイミングや散布方法により防除効果にバラつきが出やすいことや、薬剤抵抗性をもった害虫の発生が課題となっており、フェロモン剤の設置により、交尾を連続的に阻害し交尾率を低下させ、害虫の発生を抑えるとともに農薬剤費と労働力の低減につなげていきます。
 フェロモン剤は6月の定植時期に合わせて設置し、シロイチモジヨトウの発生が多くみられる7月から9月にかけて、3カ所のほ場で設置後1ヶ月間隔に調査します。①10㌃(400本)、②10㌃(200本)、③10㌃(未設置)とし、①の試験区では4月と6月に200本ずつ設置し、②は6月に200本設置、③はフェロモン剤を設置せずにデータを収集。試験結果は生産者へフィードバックし、今後のカーネーション栽培に生かします。野々宮センターの鈴木一茂さんは「効果が表れれば、団地設置により難防除害虫であるシロイチモジヨトウの広域防除体系の確立をめざしていきたい」と話しました。
 7月18日に行われた初回調査では、JA西三河、JA愛知中央会、JAあいち経済連などの担当者6人が被害株数を確認。いずれの試験区でも食害は認められませんでした。
 当JAでは2015年より「担い手訪問活動」を行い、自己改革の一環と位置付け取組みを強化しています。フェロモン剤の試験実施は、その担い手訪問活動の中からくみ上げた農家の要望に応えたもの。2019年2月に行った薬剤の感受性検定の結果を受け、夏場に多くの被害をもたらすシロイチモジヨトウの防除に力を入れています。