JA西三河のこと

米・麦・大豆の新品種栽培へ 収量・品質向上通して収入増加めざす


収穫期を迎える麦「ゆめあかり」

 JA西三河では水田作物の将来を見据え、新品種の米『なつきらり』、麦『ゆめあかり』、大豆『フクユタカA1』を導入し、収量と品質の向上・農作物のブランド化等を通した農家所得の向上を目指しています。

 米『なつきらり』は愛知県農業総合試験場で生まれた品種。高温耐性があり、近年多い猛暑の年でも高品質の米を収穫できるほか、整粒歩合(欠け・割れなどがなく整った形の米粒の割合)が高いことが特長です。

 この『なつきらり』は、重さ・水分量・タンパク質の量等について一定の基準を満たした一等米を愛知県のブランド米「愛ひとつぶ」として販売しています。JA西三河では愛知県・JAあいち経済連や生産者と協力して技術指導などを行い、付加価値の高いブランド米「愛ひとつぶ」としての出荷と、日本穀物検定協会の食味調査で最上級となる『特A』の獲得を目標に掲げています。

 2020年より本格栽培を開始し、徐々に栽培規模を拡大。2023年産では22名が約70㌶で栽培し、360㌧を収穫しました。今後も栽培面積の維持・拡大を図る予定です。

 麦『ゆめあかり』は中華めん・パン等に使われる硬質小麦の新品種です。茎が太く、草丈が短いため風などで倒伏しにくく、収量の落ち込みを防げる利点があります。また穂が長いため、面積当たりの収量が多くなる特色も持っています。

 JA西三河では2015年度から試験栽培を開始し、タンパク質の材料となる窒素成分の補充に必要な施肥体系を検討・実験しつつ、2019年度より本格的に栽培を開始し、年々栽培面積を増やしてきました。

 2024年産では、西尾市の麦生産量の約20%を占める主力品種となっています。JAでは学校給食のパンや中華めん向けの販路を築き、うどん向きの麦『きぬあかり』とともに栽培・集出荷を行っています。

 大豆『フクユタカA1』は、『フクユタカ』の裂莢性(収穫前にさやが弾けてしまうこと)を改善した新品種です。裂莢によるロスが少なくなり、収量の増加が期待できます。JAでは2020年度作より、西尾市で栽培する大豆をすべて『フクユタカA1』に切り替えました。今後は栽培方法や刈り取り時期といった栽培技術の確立を図ります。

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(2021.8)