JA西三河のこと

米・麦・大豆の新品種試験栽培 収量・品質向上通して収入増加めざす


収穫期を迎える「ゆめあかり」

 JA西三河では水田作物の将来を見据えて、新品種の米『なつきらり(愛知123号)』、麦『ゆめあかり』、大豆『フクユタカA1(関東120号)』の導入に向けた取り組みを進めています。

 米『なつきらり(愛知123号)』は愛知県農業総合試験場で生まれた新品種。高温耐性があり、近年多い猛暑の年でも高品質の米を収穫できるほか、整粒歩合(欠け・割れなどがなく整った形の米粒の割合)が高いことが特長です。JA西三河では愛知県・JAあいち経済連や生産者と協力し、日本穀物検定協会の食味調査で最上級となる『特A』の獲得と愛知産米のブランド化を目標に栽培試験を行っています。2020年には9名の生産者が計8.8ヘクタールで本格栽培を開始し、県の初ブランド米「愛ひとつぶ」として42トンを生産。2021年度には12名が25.3ヘクタールで栽培しており、県下当たりの作付面積は西尾市が最大です。

 麦『ゆめあかり』は中華めん・パン等に使われる硬質小麦の新品種です。茎が太く、草丈が短いため風などで倒伏しにくく、収量の落ち込みを防げる利点があります。また穂が長いため、面積当たりの収量が多くなる特色も持っています。JA西三河では2015年度から試験栽培を開始し、タンパク質の材料となる窒素成分の補充に必要な施肥体系を検討・実験しつつ、年々栽培面積を増やしてきました。2019年度より本格的に栽培を開始し、市内の麦栽培面積の10%にあたる110ヘクタールで栽培しています。あわせてJAでは学校給食のパンや中華めん向けの販路を築き、うどん向きの『きぬあかり』とともに主力品種として栽培・集出荷を行います。

 大豆『フクユタカA1(関東120号)』は、『フクユタカ』の裂莢性(収穫前にさやが弾けてしまうこと)を改善した新品種です。裂莢によるロスが少なくなり、収量の増加が期待できます。JAでは2020年度作より、西尾市で栽培する大豆をすべて『フクユタカA1』に切り替えています。

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(2021.8)