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ウイルス検査キットの実演会 早期特定で減収対策へ

2021.1.5

ウイルス検査キット(試作機)の実演会

 国立大学法人 豊橋技術科学大学は12月11日、JA西三河あぐりセンター池田でキュウリのウイルス検査キット(試作機)の実演会を開きました。キュウリ産地ではウイルス病による減収に悩まされており、本装置が実用化すれば農業において専門スキルがなくても誰でも簡便にウイルス判定できる国内初の装置となります。同大学は、知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅢ期において愛知県農業総合試験場や民間企業、JA西三河きゅうり部会とともにこのウイルス検査キットの開発に取り組んでおり、減収対策の切り札として期待されています。
 当JAでもスマート農業実証事業に先進的に取り組んでいます。管内の施設園芸において環境モニタリングの導入により栽培環境の改善が進み、成果が出ている一方で、産地ではウイルス病による減収の課題が残されていました。

マイクロ流路チップ

 この日、同大学の柴田隆行教授をはじめ、研究チームや生産者ら約15人が参加。病気が疑われる葉から爪楊枝で採取した検体をマイクロ流路チップへ導入し、専用装置にかけて1時間ほどで自動判定しました。今回のチップは「メロン黄色えそ」や「ウリ類退緑黄化」、「キュウリ緑斑モザイク」、「キュウリモザイク」の4種のウイルスを同時に判定可能。従来、結果が生産者に届くまで数日かかっていた検査が数時間ででき、さらに専門的な知識がなくても誰でも簡単に判定できることが大きな特徴です。よりスピーディーにウイルスを判断し病害の蔓延防止に役立てていきます。
 実演会に参加した生産者は「現場に1台あるとその場ですぐに判定でき、迷うことなく株の抜取りができる」と期待を膨らませ、県の農業総合試験場の恒川健太主任は「ウイルス種の特定が可能で、栽培現場での対処が迅速にできる。今後も誰でも簡単にできる操作性と判定精度をさらに向上させていきたい」と話しました。
 ICT導入により施設園芸の高度化が目覚ましく進む中、栽培リスクとしてウイルスによる被害が課題に挙げられます。今回の検査で用いるLAMP法は他作目での応用も可能で、ウイルスの早期特定に期待が高まっており、将来的にはチップを量産化してコスト低減を図り、全国での普及を見据えています。