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茶祖奉告祭 西尾茶の先駆者の仏前でさらなる発展誓う

2021.12.8

「奉告のことば」を述べる稲垣組合長

 西尾市のてん茶生産者で組織する西尾市茶業組合は12月6日、茶祖の寺と呼ばれる紅樹院で令和3年度茶祖奉告祭を開きました。来賓として西尾市の中村健市長や神谷雅章市議会議長、当JAの黒野善久常務理事らを招き、茶業関係者など約60人が参列。茶業のさらなる発展を誓いました。
 奉告祭では、紅樹院住職による読経の中で、鶴城中学校茶道部員が仏前に抹茶と煎茶を献茶し、参列者が焼香しました。奉告のことばとして同組合の稲垣宏紀組合長が、今年の作柄や茶生産者の活躍などを仏前に奉告。あわせてJA職員による茶摘みボランティアについて、「一番茶の最盛期に平年より21日も早い梅雨入りの発表があり、天気が悪い日も多く、茶の摘採に大変苦労した年であった。総勢120人余りのJA職員の手助けもあり手摘みの収穫を無事終えることができた」と付け加え、「近年は抹茶の原料の碾茶が全国で注目され、多くの産地が碾茶製造に参入してきた。今一度、この西尾で作られる高品質な碾茶をもうワンランク引き上げ、産地間競争に打ち勝つ強い産地を目指すことをここに誓う」と結びました。

 「茶祖奉告祭」とは、今年のお茶の出来栄えを先覚者や茶業物故者に報告するもので、毎年12月に同組合が執り行っています。同寺は室町時代後期の創建。寺伝によると徳川家康の伯母の菩提を弔うために建てられたと言われています。また明治時代初頭、同寺の住職・足立順道導師が現在の京都府宇治市から持ち帰った茶の種と製茶技法を伝えたことから「茶祖の寺」と呼ばれています。