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施設キュウリの養液栽培技術確立へ、今年も実証試験スタート

2022.10.17

 

養液ベンチへ苗を定植する鈴木さん(右)とJA職員

 JA西三河きゅうり部会は愛知県やJAあいち経済連、トヨタネ株式会社と連携をし、農業ICTツールを活用した養液栽培の実証試験に取り組んでいます。さらに養液栽培で得られた地下部データを土耕栽培へフィードバックすることで、部会全体の収量向上につなげています。
 実証試験はJA西三河きゅうり部会に所属する5人の生産者により行われている。9月30日には、鈴木幸雄さんのハウスで養液ベンチへの定植が行われました。試験で使う苗や培地などの資材はJA共済連の地域・農業活性化活動助成金を活用して購入しました。
 試験は今年で取組み7年目を迎えています。様々なきゅうり品種や培地の種類を比較することで、産地に適した栽培方法を検討しています。鈴木さんの圃場では今年、㈱埼玉原種育成会開発の「OS706」を定植しました。今後翌年6月末まで栽培し、収量や生育特性を調査します。併せて定期的に排液分析を行い、吸肥量を計算。データは他の部会員と共有し、適正施肥による収量アップを目指します。
 養液栽培は肥料を水に溶かした培養液で作物を栽培する方法。土耕栽培に比べ、必要な養分や水分が十分に供給されるため作物の生長が速く、収量も多いという強みがあります。土づくりも不要となるため、前作から期間をあけず定植が可能。栽培期間の拡大と安定した雇用が可能となり、生産者は経営規模拡大を視野に入れることができます。     
 その一方で、養液栽培で長期間安定した栽培をする技術が確立されておらず、未だ広く普及していないのが現状です。ICT技術を活用しながら、養液栽培技術を確立することでさらなる経営の高度化を見据えています。