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【取組8年目】施設キュウリの養液栽培技術確立へ

2023.10.12

養液ベンチへ定植する鈴木さん(左)とJA職員

 JA西三河きゅうり部会は愛知県やJAあいち経済連、トヨタネ株式会社と連携し、農業ICTツールを活用した養液栽培の実証試験に取り組んでいます。養液栽培で得られた地下部データを土耕栽培へフィードバックすることで、部会全体の収量向上につなげています。
 実証試験はJA西三河きゅうり部会に所属する5人の生産者が取り組んでおり、10月初めには鈴木幸雄さんのハウスで養液ベンチへの定植が行われました。試験で使う苗や培地などの資材はJA共済連の地域・農業活性化活動助成金を活用して購入しています。
 試験は取組み8年目を迎え、今年は培地の経年劣化が及ぼす生育への影響などを検証し、産地に適した栽培方法を検討します。定植した苗は翌年6月末まで栽培し、収量や生育特性を調査。あわせて定期的に排液分析を行い、吸肥量を計算します。データは他の部会員と共有し、適正施肥による収量アップを目指してまいります。

 養液栽培は肥料を水に溶かした培養液で作物を栽培する方法。土耕栽培に比べ、必要な養分や水分が十分に供給されるため作物の生長が速く、収量も多いという強みがあります。土づくりも不要となるため、前作から期間をあけず定植が可能。栽培期間の拡大と安定した雇用が可能となり、生産者は経営規模拡大を視野に入れることができる一方、養液栽培で長期間安定した栽培をする技術が確立されておらず、未だ広く普及していないのが現状です。ICT技術を活用しながら、産地に適した養液栽培技術を確立することでさらなる経営の高度化を見据えています。