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「茶祖奉告祭」西尾茶の先駆者の仏前でさらなる発展を誓う!

2023.12.12

 

奉告の言葉を述べる小林組合長

 西尾市のてん茶生産者で組織する西尾市茶業組合は12月8日、茶祖の寺と呼ばれる紅樹院で令和5年度茶祖奉告祭を開きました。来賓として西尾市の中村健市長や本郷照代市議会議長、JA西三河の黒野善久常務理事らを招き、茶業関係者など約80人が参列。茶業のさらなる発展を誓いました。
 奉告祭では、紅樹院住職による読経の中、古式ゆかしい作法でたてたせん茶と抹茶を鶴城中学校茶道部員らが献茶した後、参列者が焼香。奉告のことばとして同組合の小林晋弥組合長は「本年は、4月上旬まで気温が高く、このため萌芽は平年より5日ほど早くなった。その後、平年並みの気温となり、一番茶の収穫も3日ほど早くなったが、収量・品質とも良質なものができた」と今年の作柄を報告。てん茶に適した品種も増え、一番茶は早生品種が4月下旬から、晩生品種が6月上旬までと、1ヶ月以上にわたって収穫・製造していることも紹介しました。
 また、伝統の学校茶摘みや八十八夜行事、新茶の茶摘み体験などを開催したほか、10月には西尾の抹茶の日イベントを開催し、盛況だったことを報告。第51回愛知県茶品評会では農林水産大臣賞を含む8点の特別賞の受賞を披露。「これも、先人が築き上げてきた栽培・加工技術、関係機関のご指導のたまもの」と感謝しました。
 令和6年は第76回関西茶業振興大会が愛知県主催で開かれ、県内の各産地で審査会やイベントなどが行われるため、西尾市においても式典が予定されています。特別賞受賞、上位入賞を目指し、来年も良い報告ができるよう皆さんが力を注いでいる」と述べました。その上で「まだまだ茶業界は厳しいが、皆さまにつないでいただいた栽培・加工技術を後世に伝え、さらに発展することを誓いたい」と結びました。
 「茶祖奉告祭」とは、明治初期に紅樹院の住職であった足立道順師が京都宇治から持ち帰った茶種で茶園を拓き、茶処西尾の礎を築いた功績を讃えて執り行われるもので西尾市茶業組合が主催。 
 紅樹院は、室町時代後期の創建。寺伝によると徳川家康の伯母の菩提(ぼだい)を弔うために建てられたともいわれており、34世の足立道順が1872年(明治5)年、現在の京都府宇治市から茶の種と製茶技法を伝えたことから「茶祖の寺」と呼ばれています。