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行政と現場が一体で小麦振興へ 農水省が西尾の麦ほ場の視察と意見交換

2025.5.27

 5月20日、農林水産省の関係者10名が全国トップクラスの反収を誇る西尾市を訪れ、小麦生産の実情を確認しました。この日は西三河農協農作業受託部会の小野田裕二部会長とJA職員が参加し、高い栽培技術で高品質・高収量を実現する小麦生産の取り組みについて意見交換しました。

 西尾市では1980年頃から二年三作のブロックローテーションに取り組んでいます。連作障害を抑えながら土づくりも行い、小麦の生産力を高めてきました。また農地の集積も進み、農家一戸当たりの耕作面積は部会員平均で約50~60㌶と大規模で、作業の効率化に繋げています。

 冒頭のあいさつで農林水産省大臣官房政策課の御厩敷寛(「厩」は「がんだれに既」)上席企画官は「今後の農政において、小麦や大豆の畑作の生産性を上げていくことが重要な課題。なかでも西尾市の小麦生産力は、北海道に負けないレベルで非常に優良なため、取り組みを学ばせてもらいたい」と話しました。

 また小野田部会長からは「2007年の品目横断的経営安定対策が転換点となり、切磋琢磨した生産者の技術力が高まった結果、農家一軒一軒が一定の品質を保った栽培を実現している。今ブランド化を進める『にしお小麦』が西尾市農業の大きな強みになっている」と伝えました。

 2024年度の愛知県の小麦平均反収は424㎏と全国トップクラスであり、西尾市は476㎏で県内トップクラスです。西尾市で生産される小麦の約80%を占める主力品種が「きぬあかり」で、なかでも栽培期間中に除草剤を使わない「きぬあかりPremium(プレミアム)は個人レベルではなく産地全体で年間約2000㌧生産しており、全国的にも珍しい取り組みです。また食品加工業者と連携した商品開発にも力を入れ、農家所得の向上に努めています。

▲意見交換をする農水省関係者、生産者、JA職員ら