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令和7年度 茶祖奉告祭

2025.12.15

 市内のてん茶生産者で組織する西尾市茶業組合は12月12日、茶祖の寺と言われる紅樹院で令和7年度茶祖奉告祭を開催しました。来賓として西尾市の中村健市長や、当JAの黒野善久常務理事らを招き、茶業関係者など約60人が参列。茶業のさらなる発展を誓いました。
 奉告祭では、紅樹院住職による読経の中、伝統的な作法でたてたせん茶と抹茶を鶴城中学校茶道部員らが献茶した後、参列者が焼香した。奉告のことばとして同組合の髙須正徳組合長は「本年の一番茶は、収量はやや減少したが・品質、味わい共に西尾市の抹茶ならではの、香り豊かなものができた」と今年の作柄を報告。一番茶は早生品種が4月下旬から、5月からは気温が高く中生から晩生品の適採作業の間が挟まり組合員は多忙となりました。2番茶は平年並み、秋番茶は最近のてん茶の需要が全国での広まりをうけ、しっかり収穫されたことも紹介。また、伝統の学校茶摘みや八十八夜行事、新茶の茶摘み体験などを開催したほか、西尾の抹茶の日イベントを西尾市内外で開催し、盛況だったことを報告しました。第52回愛知県茶品評会で小林晋弥さんが農林水産大臣賞を受賞したのをはじめ組合員が上位入賞を果たしたことを披露。「これも、先人が築き上げてきたもの、組合員の栽培・製造技術の共有とチームワークのたまもの」と感謝しました。その上で「近年、抹茶需要は高まる一方であり、煎茶産地が続々とてん茶生産への転換を進め、激しい産地間競争の中、西尾の抹茶が支持され続けるために、より良質なてん茶を栽培し続ける必要がある」と結びました。
 「茶祖奉告祭」とは、明治初期に紅樹院の住職であった足立道順師が京都宇治から持ち帰った茶種で茶園を拓き、茶処西尾の礎を築いた功績を讃えて執り行われるもので西尾市茶業組合が主催。紅樹院は、室町時代後期の創建。寺伝によると徳川家康の伯母の菩提(ぼだい)を弔うために建てられたともいわれている。34世の足立道順が1872年(明治5)年、現在の京都府宇治市から茶の種と製茶技法を伝えたことから「茶祖の寺」と呼ばれています。