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難防除害虫「シロイチモジヨトウ」の広域防除体系の確立をめざして、フェロモン剤試験導入

2020.6.24

フェロモン剤「ヨトウコンS」の設置を行う担当者ら

 全国有数のカーネーション産地である愛知県西尾市の小栗カーネーション部会(部会員7人)では、定植後のシロイチモジヨトウによる被害が原因で生育が遅れていることを背景に、昨年に引き続き、フェロモン剤「ヨトウコンS」の試験に取り組んでいます。
 管内では、薬剤散布のタイミングや散布方法により防除効果にバラつきが出やすいことや、薬剤抵抗性をもった害虫の発生が課題となっており、フェロモン剤の設置により、交信撹乱で交尾を連続的に阻害し次世代の幼虫密度を抑制することで、害虫の発生を抑えるとともに農薬剤費と労働力の低減につなげていきます。
 6月16日には、当JA、JA愛知中央会、JAあいち経済連の担当者5人がフェロモン剤「ヨトウコンS」の試験設置を行いました。昨年はハウスの屋根部に設置しましたが、作業性を鑑みて、今年は設置が簡単なフラワーネットへ変更。またハウス外でのシロイチモジヨトウの発生状況を把握するため、試験区から離れたところにフェロモントラップを設置しました。10㌃の圃場2か所を試験区とし、①の試験区では等間隔に100本設置し、②の試験区では慣行区として、フェロモン剤を設置せずにデータを収集します。また昨年は4月と6月に設置を行っていましたが、今年は費用対効果を鑑みて、6月のみの設置とします。初回調査は定植後の1か月後となる7月20日頃に行う予定。試験結果は生産者へフィードバックし、今後のカーネーション栽培に生かしていきます。
 JAでは2015年より「担い手訪問活動」を行い、自己改革の一環と位置付け取組みを強化しています。フェロモン剤の試験実施は、JA愛知中央会、JAあいち経済連など関係団体と連携し取組みを進める担い手訪問活動の中からくみ上げた農家の要望に応えたもの。2019年2月に行った薬剤の感受性検定の結果を受け、昨年度より夏場に多くの被害をもたらすシロイチモジヨトウの防除に力を入れています。