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施設キュウリ栽培 全部会員がLAI計測センサー導入し、スマート農業加速

2020.12.29

植物群落より上へLAIセンサーを取り付ける担当者ら

 西尾市では最新技術を活用した施設キュウリの栽培が進んでいます。全国トップクラスの生産技術を誇るJA西三河きゅうり部会は12月21日から25日の5日間、全部会員のほ場へ葉面積指数を計測するLAI計測センサー(LAI:Leaf Area Index)を導入。キュウリ生産者が自身のハウスに導入するのは、全国で初めてで、樹勢や潅水の目安に役立て、将来的には収量予測への活用をめざしていきます。
 LAI計測センサーは植物群落の上下に照度センサーを設置し、上下の散乱光を採光する装置。繁茂状態によって上下の散乱光の光量比が変わる原理を活用し、自動で継続的に葉面積指数を計測します。静岡県農林技術研究所の「散乱光センサによるトマト葉面積指数の非破壊評価」に基づいてキュウリの葉面積指数を計測できるようにし、センサーを開発した㈱IT工房ZやJAあいち経済連、JAの担当者が圃場を巡回して設置作業にあたりました。
 農林水産省平成31年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクトを通じて実用化した装置で、新型コロナウイルスの補助金「令和2年度経営継続補助金」を活用して全部会員40人が導入。産地全体でスマート農業を加速化させています。そのほか一部希望者は、生育の最適化実現に向けて排液カウンターや流量センサーの取り付けも行いました。
 JA西三河きゅうり部会は2015年より、他産地に先駆けて部会全体で農業用ICTツールを積極的に活用。導入以後、1反当たりの収量・販売金額は約15%アップしており、技術力の高い農家による栽培環境・肥培管理のノウハウを共有することで産地の高度化を図っています。