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農福連携で農業労働力の一端担う 生産現場での活躍に期待

2021.5.10

キュウリの下葉処理にあたる利用者ら

 当JAでは2019年度より、JA愛知中央会を通じて農福連携の相談窓口を設置しており、農業者と障害者の架け橋を担っています。労働力を求める農業者等と農作業への就労を希望する障害者をマッチング。高齢化や人手不足に悩む農家にとっては繁忙期の労働力が補え、障害者には新たな就労の開拓につながっています。
 昨年にはカーネーションの段ボール組み立てを市内2つの福祉施設へ作業委託。今年は社会福祉法人 幡豆福祉会 友国作業所に引き続き、キュウリの葉かき作業を委託します。下葉処理はイタチキュウリや戻り果の早期発見、病気予防・蔓延防止、樹勢維持に役立つ重要な作業。出荷最盛期となるこの時期、下葉処理に手が回らなくなることを背景に1ヶ月間試験的に行い、最長6月下旬まで委託します。
 初日となった5月6日、市内で冬春キュウリを生産する鈴木基矢さんのハウスへ生活介護の2人と施設担当者が訪れ、委託内容となる下葉の取り方や道具の使い方、仕上がり具合を確認。施設担当者からは誤ってつるを切ってしまった場合や、葉かき範囲のばらつきはどの程度まで大丈夫かなどの質問がありました。週に2回のペースで行い、記録用紙に記入して作業内容を管理していきます。
 実際に作業にあたった利用者は「楽しい。また来たい」と笑顔をみせてくれました。施設担当者は「施設内だけでなく、外へ出て作業させていただけるのは有難い」と話す一方で、「年間を通じてこのような関わりができると助かる」と要望。今回、作業委託した鈴木さんは「農福連携に元々興味があった。個人では踏み込みにくい世界であったが、JAを通じてならやってみようと思った」と受入の経緯を話しました。
 
 JAでは経験を伴う農作業の一部を切り出し、障害者の作業能力を考慮した仕事を設定することで、農業労働力の確保と地域福祉への貢献に努めていきます。