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小麦の生育調査で「多収」と「省力化」につなぐ

2021.5.13

試験ほ場で調査を行う担当者ら

 2020年産の反収(10㌃あたり収量)は543㌔と全国トップクラスの麦の生産力を誇る西尾市では、麦生産における肥料の試験に取り組んでいます。今年度は試験区を23か所設置し、1月、2月、5月に生育調査を実施。肥料の成分や施肥回数を変えることで肥効を調整し、多収・省力化につながる栽培法を模索します。
 「きぬあかり」の調査では、JAあいち経済連と共同で開発したJA西三河独自の「麦ネオエースセラ70」などの肥効調整型肥料を使用。全量基肥の場合や、基肥窒素施用量を速効性・緩効性を考慮しつつ調整した場合のデータを収集しています。「ゆめあかり」は主にゆめあかり専用肥料を使用し、「きぬあかり」同様、成分を変えて追肥を省略した際の生育結果などを調べています。
 5月11日には愛知県西三河農林水産事務所農業改良普及課、JAあいち経済連、JA西三河の担当者ら6人が、収穫を控えた試験ほ場13か所を巡回。穂長や病害虫発生程度、倒伏程度を確認し、試験区と対象区で生育状況を比較しました。今年は冬から春先にかけて暖かかったことから、うどんこ病の発生が早く懸念していましたが、適切な防除により感染は抑えられていました。また穂長は長く、生育は順調。調査に当たったJAの営農部農産課 浅田直樹課長補佐は「暖冬で出穂は平年より早いので、CE集荷準備を万全に収穫期を迎えたい。生育調査結果から前年並みの収量を見込めるだろう」と期待しています。JAでは今後も麦作情報を生産者に提供し、高品質・生産性向上を支援していきます。

 西尾市では2015年よりJAが主力品種と位置付ける多収性品種「きぬあかり」と、新品種硬質小麦「ゆめあかり」を栽培。愛知県生まれの2品種に集約し、農家所得の向上と県産小麦のブランド化を図っています。